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「話すのが苦手なんです」という悩みは「聴き方」が悪いんです

一般社団法人日本聴き方協会松橋良紀です。

「話すのが苦手なんです」「コミュニケーションをどう築けばいいのかわからないんです」

最近、こんな悩みを抱える人が増えています。
書店に行けば、コミュニケーション関連や話し方関連の本は、たくさん並んでいます。
雑誌や新聞の取材も、「コミュニケーションが苦手な人」、「コミュ障の人」、「雑談が苦手な人」を対象にしたノウハウのインタビューや取材がほとんどです。

「コミュニケーションに苦手意識を持っている人」には、ある共通の間違いが見られます。
その証拠に、コミュニケーションが苦手な人は、こんな質問をしてきます。

「話し方を磨く方法を知りたいです」
「初対面でも興味を引く話題を教えてください」
「相手を説得する話術はどうすればいいですか」

これらの質問から見えるのは、
自分が伝えることにばかりエネルギーをかけているということ。
つまり、「聴き方」にまったくエネルギーをかけていないのが問題なのです。

聴き方は得意ですか?

私は普段、聴き方の技術をベースにしたコミュニケーション力向上のために研修をさまざまな形で行っています。
研修の中で、「コミュニケーションが苦手です」とおっしゃる受講生にこんな質問をすることがあります。

「話し方が苦手でこの研修に来られたのはわかりました。では、聴き方については苦手ですか?」

すると、こんな返事が返ってきます。

「え?聴き方ですか?聴き方は問題ないです。私は話すのが苦手なんで、この研修に参加しにきたんです。聴く方は得意な方です」

さて、研修の中で、聴き方の実習をやっていただきますと・・・・
そういった方で、聴き方が上手な人は一人もいませんでした。
それどころか、まったく聴けていないというケースがほとんどでした。
話すのが苦手だと思っている人ほど、聴き方の重要性を理解していないのです。

ちなみに、100人の研修だと、たまに一人くらい、とても素敵な聴き方をしている人がいることがあります。
実習中に声を掛けて、今までの経験を聴いてみると、

「はい、実はカウンセリングを学んだことがあります」
「実はコーチをしていまして」

つまり、今まで聴き方がうまい人は、ほとんどがトレーニングを受けた人ばかりでした。
逆に、聴き方のトレーニング経験がない人で、聴き方がうまい人は皆無といっていいくらいです。

いいキャッチャーになっていますか?

コミュニケーションは、会話のキャッチボールです。
キャッチボールをするには、球を投げるピッチングの技術と、球を受けるキャッチングの技術が必要です。
自分がすばらしい球を投げることができても、相手が受けることができなければ、キャッチボールが成り立ちません。
ものすごい豪速球を持っていても、受けるキャッチャーがいなければ、使い道がありません。
キャッチボールをしていて楽しいのは、受けてくれる人の技量に大きく影響されます。

プロ野球では、本番前のピッチャーが、ブルペンで投球練習をします。その際に、ブルペンキャッチャーには特別な技術が要求されます。それはキャッチングの際に、「パーン」と乾いた大きないい音をさせることです。
「今日は球が走っている」と、ピッチャーに自信を持たせて気持ちよくマウンドに上がれるようにするために、いい音を出して捕球する技術が必要とされています。
ピッチャーが、気持ちよく投げて試合で活躍するためには、キャッチャーの技術が大事ですが、通常の会話も同じです。
話し手が気分よく話せるかどうかは、聴き手の技術次第です。

聴くときのリアクションが盛り上がりを決める

 

「初対面で話が盛り上がらないんです」

こんな悩みを相談されることも多いです。
話が盛り上がらない理由はなんだと思いますか?
・自分の話し方が下手
・自分の話題がおもしろくないから

こんなふうに思っていたら、大きな勘違いをしてきたようです・。
実は、話が盛り上がらないのは、話題のせいではありません。
なによりも大事なのが、聴く力なのです。

相手がもっともっと話したくなる。
そんな聴き方ができていないのが、会話が苦手な人の問題なのです。
あなたが、相手に興味を持って聴いていないと思われているのです。
もし、熱心に聴いているなら、誰もがしゃべり止まないはず。
つまり、聴く時のリアクションが薄いから、相手が話さないのです。

あなたも、初対面の相手なら、様子を探りながら話をするのではないですか?
「この話は、相手が興味を持ってくれるだろうか?」
「興味がないみたいだ、他の話に切り替えよう」
ということをしながら話していると思います。

相手も同じように、あなたのリアクションを見て、興味があるかどうかを探りながら、話をしているのです。
相手が話しているのに、小さなリアクションしか返さなかったら、「この話題には興味がないんだな」と判断するでしょう。
それが続くと、「どうやら私には興味がないみたいだ」と判断して、会話をしなくなるのも当然です。

リアクションが小さいのに気づかない人たち

10年以上、聴き方の研修をさまざまな場所で行ってきました。
企業研修や、営業研修、士業の方、事務職、一般の方など、いろんな職種の方に研修をしてきました。
その中で、士業や技術系のお仕事をしている人には、ある傾向があります。
士業やSEなど、一般的に専門知識を売りにしている人ほど、リアクションが小さいです。
感情を排除して、理論理屈の言葉だけでコミュニケーションが成り立つ世界に生きているからでしょうか。

そういえば、先日、弁護士の方が聴き方を学びに来られて、こんなことをおっしゃってました。
「初回相談から依頼の申し込みにつながることが多い弁護士は、クライアントの話をよく聴いているように思いました。
逆に、相談時によくしゃべる弁護士ほど、申し込みがないんです。
収入も何倍も違います。
そこで、聴き方を学ぼうと思って検索したら、松橋先生の書籍を見つけて、とても参考になったんです。
もっと学びたくて、セミナーに来ました」

理論や情報が勝負の士業の方でさえ、「どうしゃべるか」というよりも、「どう聴くのか」が重要なのです。
聴き方次第で収入が何倍も変わるものなんですね。

ちなみに、私の本を読みこなして、聴き方の技術を知っているはずの弁護士さんでも、いざ実習をしてみたら、やはり聴けていませんでした(笑)
弁護士さんクラスの頭のいい方でも、本を読むだけは聴き方の体得は難しいようですね。

 

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