お悩み相談を募集したところ、
切実なお悩みやご相談をたくさんいただきました。
すべての相談に回答し終えるまで、
先着順で、回答していきますので、
しばらくの間、よろしくお願いいたします。
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●ご相談内容
H様 50代女性
心理カウンセリングを学んでいます。
カウンセラーを仕事としていく場合、
学ぶべき事、起業する為に必要な事は何でしょうか?
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Hさん、ご相談というか、ご質問をありがとうございます。
「心理カウンセラーになるために学ぶべきことは?」
とのことですね。
一般的には「資格を取得する」というのが一番近道のように感じると思います。
私の一般社団法人日本聴き方協会でも、認定資格は発行していますし、
いろんな民間資格があります。
それぞれの講座で数日間学んだだけで、
カウンセラーとしてやっていける人もいます。
でも、カウンセラー養成講座に3年通っていても、
まだ人の援助をするには早いのでは?
という人もいます。
違いは何か?
その違いのひとつは、
・自分の課題と向き合って、その課題を解消しているかどうか?
これがとても大きいと思ってます。
自分の課題を乗り越えるには、
封印している感情や、
罪悪感、
自分が認めたくない弱さ、
などなどと向き合う必要があります。
そして、自分の弱さと向き合うのは、
自分ひとりではたどり着けません。
●カウンセリングを受け続ける
多くの人は、
自分の弱さを見ないようにして、
痛みを感じないように生きています。
もちろん痛みを掘り返す必要がない人はいます。
向き合うタイミングも、それぞれの人生で違います。
人によっては、今生では向き合う必要がない人もいるでしょう。
(私の両親とは、心の話をしても話がまったく成立しないまま亡くなりましたし)
しかし心の仕事をしたいのなら、
自分と向き合う必要が、たくさん出てきます。
クライアントの課題に投影が起きるので、
そのクライアント相手だと、
冷静なカウンセリングができなくなったりします。
自分の内面を整理するために、
定期的にカウンセリングを受けているカウンセラーも多いです。
●心理療法は何がいい?
心理カウンセラーになるためには、
どんな心理療法を学んだらいいのか?
ということを、質問に含まれていそうですね。
といっても現在は、
さまざまな心理療法があります。
「〇〇を勉強しようと考えているけどどうですか?」
と聞かれたときには、
「学んでおいたらいいですよ」
と答えます。
どれを学んでも、学びは必ずあると思うからです。
極端にいうと、ひどい講義でも体験したらいいです。
素晴らしいものを学んでも、経験値が少なくて比較対象を持っていないと、その素晴らしさに気づかないです。
「お金も時間も短縮したいです」
という質問が、どこからか飛んできました。
そうですか。
どれを学ぶべきかは、なりたいカウンセラー像によって変わります。
それぞれの療法の専門家は、
自分がやっているものが一番だと思ってやっているはずなので、
意見もさまざまです。
極論をいえば、日本で公的に治療を認められているのは医師だけです。
精神科医は、薬での治療以外には否定的です。
うつ症などの人が精神科医に相談すると、「心理療法はやめなさい」といわれることがほとんどのようです。
それはなぜかというと、日本医師会の影響力がとても大きいからと言われています。医師の利益に少しでもかぶるものは認められることもないようです。
(コロナで、日本医師会がいかにすごい力を持っているのかは、まざまざと見せつけられたと感じる人も多いでしょう)
先進国では、心理療法での治療には保険が効く国が多いですが、日本では数十年先まで医師の権益を守るために、認可されることはないでしょう。
専門家と言われる人のすべての発言は、国のため、人々のためといいながらも、それぞれの権益を守るためのポジショントークだったのかと、今更ながら感じている今日このごろです。
●松橋の心理関連についての学習歴
私の心理歴をお話します。
①NLP
私は30年前にNLP心理学を学び始めました。
NLPの認定コースは、24日間で全行程です。
・プラクティショナーコース(基本編) 8日間
・マスタープラクティショナーコース(上級編)8日間
・トレーナーコース 6日間
すべて取得するには最短で1年くらいです。
心理カウンセラーを目指すなら、
NLPのプラクティショナーコースは、
最低限の知識として必要だと思います。
NLPは私にしてみたら、九九のようなもの。
「人の心を扱うのにこれを知らないと、めっちゃ大変じゃない?」
という感覚です。
NLPは、ゲシュタルト療法、家族療法、催眠療法という、
しっかりと効果が証明されている心理療法のいいところ取りした心理学です。
基礎知識として、これほど学びやすいものはないでしょう。
他の心理学は、「少なくても数年間は学ばないといけない」とかいわれるものが大半ですが、
NLPは20日もあれば、一通りの知識が身につきます。
②再決断療法
さらに心を探求するなら、再決断療法です。
禁止令を学ぶことで、
人間が持つ悩みのしくみについての理解が進むでしょう。
再決断療法を学んだときは、
「このような原因がもとで、自分の性格はつくられたのか!」
と、感動することばかりでした。
自分の生き辛さの原因を理解することは、人生を大きく変える力になります。
私が通った再決断療法のコースは2年間でしたが、
私が学んだ感覚でいえば、
理論だけなら、10日で充分じゃないかと思います。
③ゲシュタルト療法
再決断療法で、実際にセラピーをするときには、
ゲシュタルト療法がベースでした。
こちらも2年間、日本のゲシュタルトの草分け的存在の百武正嗣さんのサポートをしながら、どっぷり学びました。
ゲシュタルト療法のよさは、
心理学をある程度学んだ方じゃないと良さがわからないかもしれません。
他の心理療法は、思考的な気づきが中心です。
特に、NLPのような明快な理論があるわけではありません。
ゲシュタルト療法は、身体的な気づきが中心です。
それを支える理論もありますが、哲学を引用しているので難解です。
ですがその分、自由度が高く、多くの悩みをすっきりさせることができて、とても有効な心理療法だと思います。
●マインドチェンジ
これらの他にも、過去学んだ講座、セミナー、教材などなどを合計すると、2,000万円位の投資をしてきました。
どれも私の血肉になっているのですが、その中でも、NLP、再決断療法、ゲシュタルト療法の3つは、私の屋台骨といえます。
なので、たくさん学んだ結果、
この3つを組み合わせたセミナーをやっています。
この3つの学びができたら、
カウンセリングで困ることはないと思います。
私の場合は、
「自信がない」「コミュニケーションが苦手」「人間関係で悩んでいる」
などのクライアントが多いです。
なので、以上の学びで充分だと思いますが、
ただし、薬を服用しているレベルの人を助けたいとしたら、
他にも学びが必要になります。
それは、それぞれの専門家へ相談されるのがいいでしょう。
●やりたい職業でプロになる必須の方法
カウンセラーに限らず、
なにかの仕事でプロになりたい人の相談を受けて、
びっくりすることがあります。
相手「コーチングをできるプロコーチになりたいんです」
松橋「はい、では、今までコーチを何回受けましたか?」
相手「回数ですか?仲間内では何度かあります」
松橋「有料では何回ありますか?」
相手「えっと、有料で受けたことは1度もありません」
松橋「ええ!なぜですか」
相手「うーん、お金を出さなくても、やってくれる人がいるので・・・」
他にも今までに、
「講師になりたいです、でもせいぜい数万円のセミナーにしか参加したことがない」
「パン教室の先生になりたい、でも教室に入学したことはない」
という具合に、
やりたい仕事のサービスを、
自らがお客さんとして体験したことがない人はたくさんいました。
つまり、お金を払う価値を感じていないということです。
当然ながら、集客もうまく行かないでしょう。
ということで、
プロカウンセラーになりたいのなら、
・たくさんのカウンセリングを受けてください。
・フォームから申し込みをして、サービスを受けて、終了後のアフターメールまで、
一連の体験をしてください
つまり、消費者の立場をたくさん体験して、
「業界最高のサービスをする人」
になるために、他社研究をしっかりしてください。
●マーケティングスキル
>起業する為に必要な事は何でしょうか?
起業するなら、マーケティングスキルが必要です。
カウンセラーに限らず、すべての仕事に必要です。
素晴らしい技術があっても、
それを広めるマーケティングスキルがなければ、
世の中に存在していないのと一緒です。
グーグル検索しても、
お名前がまったく出てこない人は、
存在していないのと一緒です。
ですから、最低限、ホームページは必須です。
繰り返しになりますが、
同業者のサービスをたくさん受けることは、
マーケティング的な観点でもとても大事です。
同業者がどのようなホームページをつくっているのか、
しっかりリサーチすることです。
・どんな価格、申込方法、支払い方法
・どんなコンテンツ、
・テキストのボリューム、
・サポート内容
・アフターサービス
などなど、
他社がどのようなビジネスをしているのか?
それをリサーチしないで起業するのは、あまりにも無謀。
行列ができるラーメン屋さんは、
たいてい、日本中のラーメンを食べ歩きをします。
「有名になると、同業者のところに顔を出しにくくなります。
ですから有名になる前に、
同業者のサービスを体験しまくるといいですよ」
と、今までコンサル中にアドバイスした人は、過去100人を超えます。
あなたもすぐにリサーチを始めてください。
●専門を細分化しましょう
改めて質問です。
Hさんは、どんな悩みを解消するカウンセラーになりたいですか?
「心理カウンセラー」では誰もきてくれません。
ざっくりしすぎだからです。
そもそもHさんは、
どんな悩みがありましたか?
その悩みをどのように解消しましたか?
たとえば、
自分が引きこもりで、それを克服した。
同じ悩みで悩んでいる人を助けたいので、
カウンセラーになった。
というプロフィールなら、
「引きこもり克服カウンセラー」
という肩書きがいいでしょう。
赤面症で悩んでいた方なら、赤面症克服カウンセラー。
このように、専門分野を特化することです。
もし、あなたの知り合いが胃ガンを発症したなら、
なんでも治す総合病院に連れて行きますか?
それとも、ガン専門病院?
私ならガンの専門治療をするところで、
もしあるのなら、
胃ガン専門の医者がいる病院に連れて行きたいです。
逆に、「なんでもできる」というのは、
誰にも刺さらないフレーズです。
今の時代は、百貨店よりも専門店です。
起業するなら、何の専門家を名乗るのかが、運命を決めます。
●聞き方のおかげ
わたしも、専門を特化したおかげで今があります。
12月9日に、松橋の30冊目の書籍が出ます。
『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)
私のデビュー本は、
『あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール』
2009年1月に、
この処女作を出版したのがきっかけで、
13年たった今年に、またまた同じ出版社から聞き方本を出すことになるとは、
当時は思いもしませんでした。
当時は、
聞き方の専門家でもなく、
聞き方の専門家になりたいわけでもありませんでした。
実は、「自己啓発の専門家」などと名乗っていました。
ですが、
私のブログや記事を読んだ編集者が声をかけてくれました。
ブログで、
「聞き方を学んで人生が変わった」ということを書いていたところに注目して、執筆を依頼してくれたとのことです。
その出版をきっかけに、
わたしは「聞き方の専門家」を名乗りはじめました。
そのおかげで、今があります。
Hさんも、できるだけ分野を特化した専門家として打ち出していくのがいいでしょう。
起業するなら、
そのようなブランディングを含めて、
マーケティングの勉強は必須です。
以上、参考になれば幸いです。
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